VICTREX®PEEK™樹脂、
矯正歯科向け器具の耐熱性を向上

190Cの乾熱滅菌工程に対応

同社では、乾熱滅菌工程に求められる高耐熱性を満たす材料を必要としていたが、複数の優れた 材料特性を兼ね備える上、高性能医療機器用途で数多くの実績を持つことから、VICTREX PEEKを選択した。

このたびVICTREX PEEKが採用されたバイトスティックは、樹脂製のグリップに金属チップが 埋め込まれた歯科手用器具である。この器具は、歯列矯正のため奥歯に取り付けるバンド（金属帯環） 部品を適切な位置に挿入するために使用され、患者の奥歯上に置かれたバンド部品にバイトスティック の金属チップ部を重ね合わせ、バイトスティック本体を患者が噛むことで、バンドを適正な位置に 装着するものである。「バイトスティックは、歯にバンドを機械的に固定するために使用されることから、 優れた衝撃強度が求められます。」と、Coltene Whaledent社のエンジニアであるマーク・ヴァン・メーターは 話している。「当社では、患者がスティックを噛む力に耐える十分な強度を持つ材料が必要でした。 VICTREX PEEKは咬合圧（噛む圧力）に対する必要条件を満たしています。」

ヴァン・メーターは、「新設計に当たって最も重要な要件は、スティックが複数回の乾熱滅菌に 耐える能力でした」と話している。乾熱滅菌工程ではチャンバーを190Cまで加熱するが、 チャンバー内の温度は216Cにまで上昇することがある。「VICTREX PEEK製のスティックは、特性の損失、 変形や変色が無く、少なくとも50回の乾熱滅菌工程に耐えることができます。」

また、乾熱滅菌に対する高耐熱性に加え、このバイトスティックは、オートクレーブでの滅菌や、 グルタルアルデヒド、過酢酸および過酸化水素といった殺菌消毒薬による滅菌工程に耐える必要があった。 「VICTREX PEEKを使用することで、オートクレーブと乾熱滅菌に耐える能力に加え、優れた耐薬品性を 発揮するスティックを開発することができました。」と、ヴァン・メーターはコメントしている。

Dentronix社は、新しいバイトスティックの設計に際し、ポリフェニレンサルファイド（PPS）を 含む様々な材料をテストした結果、このアプリケーションに最適な特性の組み合わせを持つことから、 VICTREX PEEKの採用を決定した。ヴァン・メーターは、設計段階におけるビクトレックス社の技術サポートに ついて、「ビクトレックス社は、私たちが自社の射出成形機で試作できる様、材料サンプルを提供すると共に、 成形条件の決定を支援してくれました。」としており、加えて「成形上の問題が発生した際には、 高性能射出成形の専門家であるPerformance Plastics（パフォーマンス・プラスチックス）社と協力して 当社をサポートしてくれました。」とコメントしている。

Performance Plastics社のセールス・エンジニアであるジョー・シモンズは、「これまで私たちは、 VICTREX PEEKを用いて様々なアプリケーションを開発してきました。VICTREX PEEKは、高耐熱性、 耐薬品性や耐衝撃性といった複数の優れた特性をバランスよく発揮することから、製品性能の向上に 対する非常にコスト効率に優れたソリューションです。」と話している。

Dentronix社およびColtene/Whaledent社について：

Coltene/Whaledent社の子会社であるDentronix社は、矯正歯科向けプライヤー、手用器械および 感染制御製品といった、矯正歯科用の様々な製品を開発・製造する専門メーカーである。 Coltene/Whaledent社は、様々な歯科用製品の開発、製造、供給を手掛けている。
www.dentronix.com

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